レビュー: Otomo Katsuhiro Artwork KABA2

Otomo Katsuhiro Artwork KABA2

感動的でお勧めの画集だ

大友克洋が『KABA』と言う画集を1989年に講談社から出版して20年ほど経った。出版社を変えたわけでもないのにその後数年にわたって『KABA』の再版が全くないのは驚きだ。

第1集の『KABA』を手に入れる機会を逃してしまったのならば今回の『KABA2』を逃す手はない。
『KABA2』は第1集と同じように大型サイズで印刷されておりハードカバーだ。大きな表紙の絵がプリントされたステッカーが貼られているボール紙のケースに入っている。この画集204ページに1990年から2011年までの作品が載せられている。そう、大友克洋氏はアニメ漫画業界とそれだけ長く活動しているのだ。

作品は下記のそれぞれの章に分かれている:

  • イラストセクション
  • 『Orbital Era』
  • 『Batman The Third Mask』
  • アニメセクション
  • 特別企画『絵本 大砲の街』
  • 多彩なコレクション

第1章は1988年『AKIRA』、2004年『スチームボーイ』、1995年『MEMORIES』、1996年『SOS大東京探検隊』からの作品が収録されている。他の刊行、例えば自転車専用の週刊雑誌のために描かれた営利目的の作品なども収録されている。アニメ映画だけではなく様々なアートが楽しめる。

収録されているアートはやはり綺麗だ。更に本のカバーも大好きだ。各章の見出しには表紙のイラストにあるバッジで出来ている。個人的には大友さんが描いた漫画スタイルのイラストが好きだ。特に大友氏の線画には魅了される。更に氏はユーモアのあるアーティストなので、侍の格好をする犬といったような奇抜な作品も面白い。

『Orbital Era』と『Batman The Third Mask』はこの本の中では最小の章で、数ページの漫画イラストが収録されている。大友克洋風、漫画スタイルのバットマンはとても面白い。

アニメーション作品Freedomやガンダム ミッション・トゥ・ザ・ライズ、最臭兵器のためのコンセプトアートセクションもある。それらの多くは大友氏が直接監督をしなかった映画の背景美術やコンセプトデザインだ。メカニックデザイン、ロボット、キャラクター・デザインなども収録されている。

特別企画絵本『大砲の街』の章では同名アニメ映画のコマがたくさん収録されている。この作品でのキャラクターデザインや全体的なスタイルは氏の他の作品と異なっているのでとても興味深い。

最終章はその他の章にそぐわなかった様々なイラストを集められている。果物のカタチをした自転車のヘルメット、今回の本のカバー代替イラストの頭上に巣を乗せた奇妙なコウノトリ、変なキャラクターの落書き、映像作品、コレクターアイテムの写真など。大友氏の創造的プロセスに関する日本語で書かれたインタビューも収録されている。最後に大友氏のスタジオの写真が掲載されており、その写真には2台の自転車が見える。大友氏はサイクリングに熱心な方なのでもしかするとそれ以外にも自転車を所有しているかもしれない。

これは大友克洋氏が描いた素晴らしい画集だ。感動的でお勧めだ。

ハードカバー: 204ページ
出版社: 講談社
言語: 英語
ISBN-10: 4063648818
ISBN-13: 978-4063648812

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『Otomo Katsuhiro Artwork KABA2』は以下の書店にて取り扱い中。
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